激動する中東情勢と金融市場への影響とは?

はじめに

2025 年、中東では停戦合意と武力衝突が交互に報じられ、原油・金・暗号資産が乱高下しています。こうした地政学ショックは「ドルの覇権」を再考させ、各国が自国通貨決済を模索する動きを加速させています。本稿では①ドルの歴史、②脱ドル化の背景、③主要国の金融戦略を整理しながら、個人投資家が取るべき資産防衛のヒントを提示します。

1.ドルの歴史:基軸通貨が築かれた三段階

画像


ブレトンウッズ期(1944-71)
金 35 ドル固定と対外援助でドル需要を創出。

変動相場期(1970 年代)
ペトロダラー体制で産油国の余剰資金が米国債へ循環。

金融資本期(1990 年代以降)
デリバティブ市場と SWIFT 支配でドル流動性が常時供給され、ドル建て債務が新興国の成長燃料になりました。

ポイントは「軍事・資源・金融インフラ」という三位一体の優位性がドルを支えてきたという点です。

2.脱ドル化の背景:三つの圧力

画像


① 制裁リスクの顕在化
ロシア制裁でドル決済網からの排除が現実化。産油国はドル依存を「政治リスク」とみなし、人民元・ルーブル建て石油決済を試行。
② 米国債格下げと財政赤字
トリプルAの喪失、国債残高 GDP 比 130 %超が「安全資産神話」を揺らす。
③ CBDC とデジタル決済
中国 e-CNY、インド e-Rupee などが自国通貨の越境利用を技術的に後押し。

3.中東×脱ドル化:現場で進む三つの動き

画像


サウジと人民元建て原油取引
部分的ながら長期契約に人民元参照価格を採用。

UAE のデジタルディルハム実証
mBridge に参加し、中国、香港とリアルタイム決済をテスト。

イラン-イラク間の通貨スワップ
ドルを介さずディナール決済で電力輸入を清算。

いずれも規模は限定的ですが、「ドルしか選択肢がない」時代が終わりつつある象徴と言えます。

4.金融市場への波及:四つの価格シグナル

画像


原油:供給リスクと通貨多様化でボラ拡大。WTI 90 ドル台が常態化。

米国債:海外保有比率がやや低下、長期金利は 4 %台で高止まり。

金・銀:有事需要+ドルヘッジで金は 2,400 ドル前後、銀も追随。

ステーブルコイン:USDC などドル連動型は利便性で残存も、各国 CBDC にシェアを奪われつつある。

5.個人投資家のリスク回避フレーム

画像


多通貨バスケット預金
ドル40・ユーロ20・円15・人民元10・豪ドル5・金連動口座10 を目安に半年ごと見直し。

エネルギー/金属 ETF でインフレヘッジ
原油とリチウム ETF を合計 10%に据え、価格高騰リスクを相殺。

ステーブル+CBDC ウォレットの併用
送金コストを比較し、非常時の流動性経路を複線化。

信頼できる情報源の固定
IMF データ、国際エネルギー機関、各国中央銀行の RSS を登録し、二次記事は一次リンクの有無で取捨選択。

6.詐欺情報を避けるチェックリスト

画像


「○月○日にドル崩壊」「◯◯通貨が100倍」など短期で派手な数字→要注意。

公式資料へのリンクがない場合は一次ソースで裏取り。

報酬付き紹介システムや未登録業者の外貨両替は避ける。

まとめ


中東情勢と脱ドル化は 「ドルシェアの緩やかな低下」 という形で市場に織り込まれつつある。

原油・米国債・金価格の動きに加え、各国 CBDC 実証の進捗を見ることで全体像がつかめる。

個人投資家は 多通貨分散+実物ヘッジ+情報源精査 の三本柱でリスクを軽減しよう。

断定は避けつつも、ドル一極時代の終わりが徐々に現実味を帯びる今、“備え”こそが最大のリスク管理です。小さな行動を積み重ね、激動する世界で資産と信頼の両方を守り抜きましょう。

RV(評価替え)や今後の経済状況、金融に関しての旬な話題などを通して、あなたの大事な資産を守る為に、役立つような記事を投稿しています。

(あくまで個人の見解ですので、情報の活用や真偽については自己判断でお願いします)

注
1)資産防衛NOTE ~人道支援への道~ さんから許可をもらって投稿しています。

Follow me!