インドネシアの経済成長と通貨であるルピアについて

ASEANをけん引するインドネシアの経済について通貨であるルピアと絡めて説明します。

●最新のインドネシアの成長率

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2023年のインドネシアの経済成長率は5.05%で、2年連続で5%を上回りました。

2024年の第4四半期の成長率は前年同期比5.04%増で、大統領選挙前の支出効果が限定的である一方で、輸出の不振が続いている部分も指摘されています。

それでも、ASEANの中でもベトナムと常に1,2位を争う経済成長率であり、あらゆる経済共同体の中でもASEANをけん引する位置づけは変わりません。

●●産業構造と変遷

インドネシアは元々農業国でしたが、農業の強みを発揮しながら製造業、そしてサービス業へと移行しています。

特にサービス産業がGDPの約46.2%を占めており、経済の多様化と成熟を示しています。

インドネシアといえば観光業に力を入れている国であり、世界中の人々が集まる観光立国としても注目されています。

●●今後の課題

一番は人口の急激な増加とそれに伴う渋滞が深刻化、偏った人口携帯など人的資源に恵まれながらそれを活かすインフラ整備が依然として途上にあるのが最大の問題点と言えます。

経済に目を向けると、輸出の減少や金利上昇が消費の重しとなっているのは間違いなく、今後の成長率には注意が必要です。

さらに、内需の拡大や外資誘致、産業の高度化などが課題とされています。

インドネシアは、経済的な成長と政治的な変化が交差する重要な時期にあることが指摘されていますが、経済政策で大きな失敗がなければ安定した成長率が見込まれています。

●インドネシアの通貨政策

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インドネシアの通貨政策は、インドネシア中央銀行(BI)を中心として実施されています。

●●為替相場管理

インドネシアでは変動相場制を採用しており、輸出決済や輸入決済には現金払い、信用状(L/C)、カウンタートレードなどの方法が使用されています。

輸出代金を外国銀行を通じて受領する義務があり、輸出外貨価額は輸出価額と同じであることが求められています。

●●天然資源輸出外貨の国内入金義務

天然資源の輸出で得られる25万米ドル以上相当の外貨は、BIの指定した専用口座に入金することが義務付けられています。

この措置は、通貨ルピアの安定性を強化するために先制的に取られたものです。

BIはインフレ圧力や世界的なリスクに対応しながら、通貨の安定を維持するために努力しています。

●●ルピアについて

インドネシア・ルピア(IDR)は、日本円に対して次のように評価されています。

インドネシア・ルピア(IDR)は約 0.0094 日本円(JPY)に相当します。

つまり、1円は105.36ルピアになります。

インドネシアの経済や通貨政策にはさまざまな要因が影響しており、為替相場は日々変動しています。

1ルピアの価値が低いため、硬貨もあるのですが利用価値が低く流通量は多くありません。

そのため、多くは紙幣を使うことで経済が回っています。

10万ルピア札が一般的ですが、高額紙幣とも言えますが、1ルピアの価値を考えるともっとも流通量が多く、使用頻度の高い紙幣です。

もっとも、物価が安いため10万ルピアはインドネシア国民にとって高額紙幣であり続けています。

●今後のインドネシアの経済成長

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先述したとおり、2023年のインドネシアの経済成長率は5.05%となりました。

この成長は、安定した消費者支出、増加する投資、そして輸出の拡大に支えられているのは間違いありません。

ただし、輸出の減少や金利上昇が消費の重しとなっており、今後の成長率は楽観視できない状況です。

問題点は明らかで、後にも先にも輸出の不振を解決して外貨を稼がなくてはいけません。

インドネシアは原油も産出し、外にも多くの地下資源があります。

資源が輸出の中で大きな割合を占めているのは間違いありません。

輸出高全体が増加しながら、緩やかに資源の占める割合が減少していくのが最高のパターンなのですが、資源以外の輸出が伸び悩み、世界的な再エネ化の流れで資源の輸出が目減りするようになりました。

また、人口増加に支えられた旺盛な内需は拡大しており、それに伴って輸入が増えているのも見逃せません。

決して悪いことではありませんが、輸出入高を考えると大幅な赤字になっているのは大きな懸念事項といえます。

それでも、5%を超える経済成長を続けているインドネシア経済は底が固いといってもいいでしょう。

名目GDP(自国通貨)の推移を見てみましょう。

1980年: インドネシアの名目GDPは約62,257億インドネシア・ルピアでした。

2024年(推計): それが約224,901億インドネシア・ルピアに増加しています。

インドネシアの成長は注目に値しますが、一人当たりのGDPや他の指標も考慮すると、さらなる分析が必要です。

日本とインドネシア両国は友好的な関係を築っており、戦略的なパートナーとして協力しています。

それは今後も変わりませんし、日本にとってインドネシアは最重要なパートナーといっていいでしょう。

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